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各地に分布するどの伝承よりも古い、いわばわが国最古の鬼の伝承地たることを標榜している。ちなみに当地方の鬼の伝承についてはさまざまな理解があるが、たたら(鉄)生産に関わるものとする説が興味深い。ふいごで起こされた焔で照らし出された職人が赤鬼に見られたり青鬼になったりしたというわけである。平成3年、架け替え工事の行われた日野川の鬼守橋のたもとに鬼の群像が飾られたが、これがマスコミに取り上げられて話題を呼んだのがきっかけで、積極的に鬼による町おこしを展開することになった。鬼の形につくられた公衆トイレや電話ボックスが駅や国道沿いなど各所に設けられた。鬼のシンボルマークも全国的に公募して用いている。鬼の伝承をまとめた「鬼佐山ものがたり」(平成7年)も町内全戸に配布された。

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JR伯耆溝口駅舎の鬼たち

 

平成5年、前記の京都府大江町が鬼の伝承をもつ市町村に呼びかけて「鬼サミット」を開催、当町も案内を受けて参加した。このサミットま第2回が宮城県北上町、第3回が長野県鬼無里村で催され、第3回は溝口町の担当で平成9年8月開かれることになっている。ただしこのサミットは目下のところ情報交換といったものに留まっているので、当町では全国の鬼にまつわる郷土芸能を催すなど工夫したい、と考えている。
平成8年4月、高台にある運動公園に「鬼の館」(鬼ミュージアム)を建設し、鬼に関わる資料を展示したが、建物の上には、伝承に登場する「大牛蟹」をイメージした、高さ18メートルに及ぶブロンズの鬼の座像が置かれて話題を呼んでいる。国道やJRの車中からその光景に気づいた者はあっと驚くに違いない。当町の新しい

 

 

 

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